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『余命の告知Ver.3.1』

来年6月頃に、緩和ケアに関する私の単著が出版の見込みですが、そこで取り上げた「余命の告知」について、校了後にもう少し考えたことがあって、この部分だけを深く掘り下げてもう一冊書籍にできないかと考えています。

(項目案)
・余命の告知Ver1.0とは
・「全く告知しない」派と乱暴に告知する派:今の告知の現状
・がん告知と余命告知の違い
・知る権利と知らされない権利
・告知をする医師の不安と恐怖
・欧米と日本の考え方の違い:Good Death研究
・余命の告知Ver2.0とは
・1段階進んだ「余命の告知Ver.3.0」
・「月単位」という言い方の落とし穴
・患者さんを傷つけない余命の告知は可能なのか?
・私の考える「余命の告知Ver3.1」

がん診療の現場では、様々な余命の告知の方法が行われていますが、それらをVer1.0~Ver23.1まで分類し、私が実践してきたVer2.0~3.1までの変遷とそこに至るまでのプロセスを解き明かしたいと考えています。
もし、出版にご協力頂ける出版社さんがいらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちしております。

「早期からの緩和ケア外来」(腫瘍内科緩和ケア初診)新設について 

世界的に「早期からの緩和ケア」が進められる中で、現在の日本においては、外来における緩和ケアの提供体制に様々な障害があることが指摘されてきました。
 当院においても、緩和ケア外来に通院したいというご相談があった場合に、他院における抗がん剤治療中の患者については、現在治療中の各々の病院による対応をお願いしてきました。しかし、都内などの他施設で抗がん剤治療を受けつつも、緩和ケアについては地元で受けたいというニーズや、他院で抗がん剤治療中だが月単位では緩和ケアへの移行が必要になる例で、早めに関係性を作っておきたい、といったニーズが少なからずあることから、「早期からの緩和ケア」を外来で対応する必要性を感じておりました。
 また、当院においては、今後も地域がん拠点病院としての役割を果たしていくべく、地域における緩和ケアの充実のみならず、治療に対する支持療法や意思決定支援、また通院の負担が大きい場合などの抗がん剤治療継続まで幅広く対応するために、腫瘍内科(緩和ケア初診)の枠を新設することとしました。

●病院名称:川崎市立井田病院(〒211‐0035川崎市中原区井田2-27-1)
●正式名称:腫瘍内科緩和ケア初診
●通称:早期からの緩和ケア外来
●概要:毎週金曜日 9時~12時 30分1枠(6名/日)
●対象:川崎市内在住のStageⅣ(再発や転移がある)がんの患者様で、他院において抗がん剤治療継続中に、当院に緩和ケアでの通院もご希望される方
●開始日:2015年8月7日(金)
●初診時対応医師:西智弘(腫瘍内科/緩和ケア)
●チーム連携:がん看護専門看護師をはじめ、ケースワーカーや薬剤師、栄養士などと連携して支援を行います。
●フォローアップおよび緊急時対応:腫瘍内科再診外来または緩和ケア再診外来で継続フォロー致します(再診時担当医は曜日によって異なります)。平日または夜間休日の緊急時対応や入院については当院でも対応可ですが、その場合は当院から情報提供を求める連絡をさせて頂きますので各病院での対応をお願いします。また、この外来は将来の緩和ケア病棟入院を確約するものではなく、緊急入院時はAPCU(Acute Palliative Care Unit:一般床扱い)での対応となります。
●提供される医療/ケア:支持療法、症状緩和、意思決定支援、病状理解支援、精神的ケア(必要に応じて…

FOLFIRINOXとGEM+nabPTXの効果は?

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先日の「かながわオンコロジー道場」で、興味深いやりとりがあったので書き残しておこうと思います。

「かながわオンコロジー道場」とは、神奈川県内の腫瘍内科医やメディカルスタッフ、医学生さんなどが参加して、症例ベースにディスカッション(他流試合)をするという勉強会です。
ご高名な先生の御高説を拝聴する、という会ではなく、ディスカッションメインなので、全員でカンファレンスをしているような雰囲気で勉強になります。

この日は、膵癌の症例でした。
若い、転移性膵癌の患者さんでPSはよく、現在の標準治療であればFOLFIRINOXを選ばせたくなるような症例です。

そこで、プレゼンターの先生が、「ではみなさん、この症例にどの治療を選びますか?」というので、画面にはFOLFIRINOX、GEM+nabPTX、GEM、GEM+Erlotinib、S1などの選択肢が並ぶ。
そこでディスカッションであるが、大勢の医師が
「FOLFIRINOXが最強の治療法だから…」
という論調で話をしていくなかで、ある医師が
「FOLFIRINOXがGEM+nabPTXより上だという証拠はないのでは?」
という発言をされました。

ここで簡単に復習をしておきましょう。
FOLFIRINOXは、GEM単剤に対してOSで11.1か月対6.8か月と延長、ハザードは0.57(95%CI:0.45-0.73)を証明した治療法です(Conroy T, et al. FOLFIRINOX versus gemcitabine for metastatic pancreatic cancer. N Engl J Med 364(19):1817-25, 2011. )。




それに対してGEM+nabPTXは同じくGEM単剤に対してOSで8.5か月対6.7か月と延長、ハザードは0.72(95%CI:0.62-0.83)を証明した治療法です(Von Hoff DD, et al. Increased survival in pancreatic cancer with nab-paclitaxel plus gemcitabine. N Engl J Med.369(18):1691-703, 2013.)。




GEM単剤については、どちらの比較試験でも6.7~6.8か月と同じ程度なので、多くの医師は、この2つの試験を比べたときに…

あなたにとって「マギーズセンター」とは何ですか?

最近、メディアやSNSなどで「マギーズセンター」を目にする機会が増えてきました。
先日の緩和医療学会学術集会でも、招待講演およびシンポジウムにて、マギーズセンターが取り上げられていました。

 さて、そのマギーズセンターですが、よく知らない方のために、マギーズトーキョープロジェクトのWebサイト(http://maggiestokyo.org/)から、その説明をした部分を抜粋しておきます。

造園家で造園史家でもあったマギー・K・ジェンクス氏は、乳がんが再発し「余命数ヶ月」と医師に告げられた時、強烈な衝撃を受けたといいます。にもかかわらず、次の患者がいるのでその場に座り続けることが許されませんでした。(中略)
「自分を取り戻せるための空間やサポートを」
マギーは、がんに直面し悩む本人、家族、友人らのための空間と専門家のいる場所を造ろうと、入院していたエジンバラの病院の敷地内にあった小屋を借りて、誰でも気軽に立ち寄れる空間をつくりました。(中略)がん患者や家族、医療者などがんに関わる人たちが、がんの種類やステージ、治療に関係なく、予約も必要なくいつでも利用することができます。マギーズセンターに訪れるだけで人は癒され、さまざまな専門的な支援が無料で受けられます。がんに悩む人は、そこで不安をやわらげるカウンセリングや栄養、運動の指導が受けられ、仕事や子育て、助成金や医療制度の活用についてなど生活についても相談することができます。のんびりお茶を飲んだり、本を読んだりするなど自分の好きなように過ごしていてもいいのです。マギーは、そこを第二の我が家と考えました。(中略)マギーズセンターのように、がんと向き合い、対話できる場所が、病院の中ではない街の中にあること。それは本当に画期的なことです。「場」の持つ力は、医療分野のみならず建築分野の専門家の共感も得てきました。

 そして2014年、日本でもマギーズセンターを作ろうという動きが本格化し、2014年11月に行われたクラウドファンディング(ready for!)で、建設のための目標額700万円に対して大きく上回る2200万円以上もの寄付金を集め、当時のready for!での寄付金総額1位となりました。建築のための土地も確保され、現在着々と計画が進められています。

 私が、このマギーズトーキョープロジェクトが素晴らしいと思うことのひとつ…

モトスミがん哲学カフェ7月・9月予定

「がん」の悩みを


私たちと語りませんか?


「がん哲学カフェ」とは、がん患者さんとそのご家族と医療者とが、カフェのリラックスした空間で、対話するための場所。「がんであっても笑顔を取り戻し、人生を生きることが出来るように支援したい」と願う、順天堂大の樋野興夫先生によって発足されました。
「病気を抱えて、どうやって生きていったらいいのか」「これから、どんな治療を受けていったらいいのか」とお悩みの方へ。私たちとの対話を通じて少しでもお気持ちが整理されるよう、お手伝いをさせて頂きたいと思っています。お気軽にご利用下さい。
【開催内容】

・7/18(土)14時~17時
・9/5(土) 14時~17時


※1日2~3組、各組1時間程度、がんの専門医師とがん看護専門看護師が、がんに関するどんな相談でも受け付けます(診療行為は行いません)。対象は「がん患者さん」「がん患者さんを支えるご家族」です。申込制ですので、お早めにご連絡下さい。


・開催場所:ida cafe

(川崎市中原区井田中ノ町33-9http://ida-cafe.com/)

※東急東横線元住吉駅西口から、ブレーメン通りを抜けて徒歩10分(850m)。井田小学校えんじゅ門の近隣です。


料金:無料 (飲み物は、各自ご注文下さい)


『がんが自然に治る生き方』について

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近藤誠をはじめとした、いわゆる「医療否定本」の類は、ここ数年で書店に急速に増えている。

これは、日本だけの現象なのかと思っていたら、海外でこの『がんが自然に治る生き方』が飛ぶように売れ、日本でも翻訳本がアマゾンでベストセラー1位になった、ということを聞き、「これも医療否定本の類かなあ~」と思いつつ購入してみた。

読んだ感想として、一言で言えば「危険」
ただ、いろいろと思うところもあったので、まず何が「危険」と思ったかから書いていこうと思う。



●「抗がん剤や放射線を否定しない」と書きながら結局否定的な印象を抱かせること

この本の大まかな要点だが、
世界には「がん」と診断され医師から厳しい余命を告げられながらも、そこから劇的な回復をみせ、がんが消えたり、長期生存した方達がいる。その方達は、これまでほとんど注目されていなかったのを、この著者が世界中を回ってインタビューや調査を行い、共通する行動パターンを明らかにした
というもの。
結果的に、9つの共通点と実践を明らかにし、それを患者さんのエピソードを交えながら書き連ねているのが本書である。

著者は、冒頭で「この本は手術、抗がん剤や放射線治療(いわゆる3大療法)を否定しない」と書かれているのだが、結果的に書かれている内容は「3大療法をしたけどダメだった。この9つの実践を行ったら治った」というもので、(意図はしていないにせよ)結果的に読者が3大療法について否定的な印象を抱くようなつくりになっている。
これまでの「医療否定本」は、過激な論調で医療を否定するものだから、「ちょっと極端だなあ」という印象を抱いて、結果的に(ちょっと慎重になりつつも)適当な医療を受ける、というパターンは多かった。

しかし、本書はそういった過激さが一見少ないところで(オカルトな部分はあるが)、結果的に西洋医学を否定するような流れを本の中で生み出しているところが「危険である」と私が考えた第一の理由である。
また、他の医療否定本やがんビジネスの方々と一緒で、3大療法を受けて治った事例なのにそうは書かず、併用した他の方法が効いて治ったのだ、と書いている事例も散見される。


●「これは仮説である」と言いながらも「明日から実践しましょう」の論調

もうひとつの「危険」は、これまた冒頭に示された「これは仮説である」の一文。
実際、この著者が行った研究は、がんになって治…

モトスミがん哲学カフェ3月・4月予定

「がん」の悩みを

私たちと語りませんか?


「がん哲学カフェ」とは、がん患者さんとそのご家族と医療者とが、カフェのリラックスした空間で、対話するための場所。「がんであっても笑顔を取り戻し、人生を生きることが出来るように支援したい」と願う、順天堂大の樋野興夫先生によって発足されました。

「病気を抱えて、どうやって生きていったらいいのか」「これから、どんな治療を受けていったらいいのか」とお悩みの方へ。私たちとの対話を通じて少しでもお気持ちが整理されるよう、お手伝いをさせて頂きたいと思っています。お気軽にご利用下さい。


【開催内容】
・3/7(土)14時~17時
・4/18(土) 14時~17時


※1日2~3組、各組1時間程度、がんの専門医師とがん看護専門看護師が、がんに関するどんな相談でも受け付けます(診療行為は行いません)。対象は「がん患者さん」「がん患者さんを支えるご家族」です。申込制ですので、お早めにご連絡下さい。


・開催場所:ida cafe

(川崎市中原区井田中ノ町33-9http://ida-cafe.com/)

※東急東横線元住吉駅西口から、ブレーメン通りを抜けて徒歩10分(850m)。井田小学校えんじゅ門の近隣です。


料金:無料 (飲み物は、各自ご注文下さい)


※予約がない場合は開催されないことがあります。