レターポットへの懸念と今後への期待

今朝、「レターポットで医療相談始めます!」という投稿をして、通貨としての利用を煽ってみたのだけど、ツイッターでは結構、レターポットへの批判や失望の声もあるみたい。

その多くは
「換金できないと意味がない」
というもの。

ただ、個人的には換金性はどうでもよくて。通貨ってそういうものではないから。
でもこのままだと将来的にはレターポットの市場は広がっていかないのではないかという懸念もある。
その一番の要因は
「レターポットが使えば使うほど『円が』減っていく設計だということ」

レターポットはまず、日本円とレター(文字)を交換する。
それで、そのレターを使って手紙を書き、相手に送る(その時に便せんも買う)。
相手から返事がくれば、レターは戻ってくるけど、相手のレターと便せん代が減る。

この「便せん代」がある限り、やり取りをすればするほど、市場にあるレターの総量は減っていく。
ということは、どこかのタイミングで誰かが、円をレターに変えて市場のレター量を増やさないと流動性が保てなくなる。
円→レターは一方通行で、その他にレターを稼ぐ方法はないから、これは円を課金して消費しているだけともいえる。

こういった構図を分かったうえで、それでもなお「面白そう」という方は参入してきても続くのだろうけど、多くの方に長期的にウケる構図とはいえないのかな~と。
もちろん今はお試し版なので、今後様々な機能が追加実装されて、多くの方々を呼び込むような仕組みを計画しているのだろうと思うけど、そのタイミングが遅れると、一気に過疎るおそれもある。
キャズムを超えられなければ、西野さんが最初に言っていたような「『お父さん周りのコミュニティ』ではすごく信用を獲得しているお父さん」や「退職時に寄せ書きをもらえる部下に愛された部長」が、その周囲の方から恩送りを受けることはない。結局のところはアーリーアダプターへ影響を与えてきた人しかレター持ちにはなれない。

じゃあ、自分はレターポットはもう見限ったのかと言われればそうではない。

むしろ、大いに楽しんでいるし期待している。
そうじゃなければレターを使ったサービスなんてものを考えて発表しようとか思わない。
とにかく、参入もしないで「換金性が無いから意味ない」とかって批判をしているのが一番面白くない。
参入して、実際に使ってみて、様々な課題がそれで初めてわかってくるから、それでみんなで育てていくべきだと思っている。

例えば
・レターをマイニングできる仕掛けやイベント
・ベーシックインカムとして毎週15レターを付与(前週にレターを使ったユーザーに限る)
・レター広場のような掲示板的機能で投げ銭としてレター使用(AskMona的な仕組み)
・レター展覧会としてレターポットのコミュニティ内で音楽やイラストを発表し、レターで評価をもらう仕組み
などなど考えられる。

誰も使わなければ、コミュニティが成り立たない。
コミュニティを成り立たせるのは運営ではなく、フォロワーだ。
このレターポットの仕組みを使って、円を払っても、どれだけ楽しめるか?
それを考えられるやつがたくさんいることを期待している。

西智弘のレターポットはこちら!

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